__ | Clementine,South Pole-Aitken Basin(1) | __ |
South Pole-Aitken Basin (1), Clementine , NASA , DoD ( United States Department of Defense ) [ South Pole-Aitken Basin (1) ] [ South Pole-Aitken Basin (2) ] |
南極−エイトケン盆地 (South Pole-Aitken Basin) は、月の裏側 にある、月最大 (太陽系最大) のベイスン (衝撃によってできた巨大盆地) である。その直径は約2500km、最深13km (平均の深さは10km)。 この巨大衝撃盆地のエリアには多数のクレーターが存在するが、そこには決して太陽光は当たらない。それが故に、温度は100度K 以上にはならない。 米国の無人月探査機クレメンタイン (1994年1月〜) ※1 の観測結果は、この極寒のエリアに氷※2 が存在している可能性があることを示唆していた。 ----- ※1 1990年代の無人月探査機クレメンタインは、NASA と 米国防総省 などが共同で開発した (構成部品が) 軍事色の強い探査機で、 可視光/赤外線/紫外線などの電磁波に対応した分光写真機、レーザー高度計、レーダーなどを駆使して月の高精細探査をなし遂げた(月の 「正体」 をあばいたというべきか)。 ※2 生命の誕生・存在の可能性を探るとき、そこには、 「液体※3」 が必要不可欠である。存在するのが水なのか氷なのか (液体なのか固体なのか) で生物存在の可能性がまるで違ってくる。 ※3 生命誕生・存在の条件※4 としての水は溶媒として機能する液体でなければならない。この点からして、以前から注目されている外惑星の衛星 (ガニメデやタイタンなど) については、太陽から離れ過ぎていて水が液体として存在するにはあまりにも低温すぎるのが弱点である (バイオスフェア)。 ※4 生物は、タンパク質や核酸などの分子と水からなっている。つまり、生命が誕生・存在するためには、タンパク質の構成分子であるアミノ酸や、核酸の構成分子である塩基、糖、リン酸などの有機化合物と、溶媒としての水が必要となる。 |
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