__ | PSE Apollo 16 Experiment | __ |
Passive Seismic Experiment, Apollo-16 |
この実験は、月の地震(以下月震)を記録して、そのデータを地球に送信し、月の内部構造を明らかにするものである。アポロ11号、12号、14号、15号、16号 各ミッションで行われた。 人工的な月震を発生させるためにサターンV型ロケットの三段目(S-IVB) と 月着陸船の上部コンポーネント(Ascent stage)を月面に激突させる試みもなされた。アポロ12号、14号、15号、16号で実施されたPSEでは観測データを1977年9月まで地球へ送信している。※1 各サイトの地震計で構成される「ネットワーク」は、(1) 流星(500g〜5000kg)が1700回以上衝突したこと、(2) 月震の殆どは地下800km〜1000kmで起こること、(3) 月震は一ヶ月ほどのインターバルで発生していること※2、(4) 月震の大部分はマグニチュード2以下であること※3、 などを記録していた。 この実験から、(1) 月の内部構造が地球と同じように、地殻、マントル、中心核などで構成されていること※4、(2) 地殻は厚さが60〜70kmほどあって斜長石を多く含んでいること、(3) マントルは橄欖石や輝石に富んでいること、(4) 中心核は鉄や硫黄で構成されている公算が強く、その半径は450km以下で月の半径(1738km)の25%程度であること(地球の中心核は地球半径の54%ほどある)などが判明(推測も含む)したが、より正確を期すためにも、月の磁気レベルを計測する LPM(Lunar Portable Magnetometer)などの成果が待たれる。 - - - - - |
▲ End of PSE Apollo 16 Experiment ▲