「星ぼしの畑の農夫 (*)」 が宇宙に水をまいた?

1998年4月7日、欧州宇宙機関 は赤外線望遠鏡衛星による興味深い観測結果を発表した。「土星の衛星タイタン (チタン)、火星の大気、その他の宇宙空間などにかなりの量の水が存在している」 と。

月面の水 (氷) の存在については月面資源探査機ルナ・プロスペクターが解き明かしてくれたが、どうやら、月面に限らず この宇宙空間には大量の水が存在するようである。

木星/土星の衛星 (ガニメデやタイタン等の九つの衛星) についてはボイジャーの探査結果を根拠に その体積の70〜90%が氷でできている、、、とされてきたが、今回は別の観測方法によって水の存在を確認したことになる。

土星の第6衛星タイタンには炭酸ガスなどを含む大量の大気の存在が既に認められており、今回の水の存在の発見によって生命誕生・存在の条件を持つ天体として、より注目されることになるのか。

ただし、生命誕生・存在の条件としての水は溶媒(*1)として機能する液体でなければならない (バイオスフェア)。この点が木星や土星系衛星の弱点だ。太陽から離れ過ぎていて水が液体として存在するには低温すぎるからである。

小説/映画2010年宇宙の旅は木星を恒星にすることによって (低温を克服) 衛星エウロパに生命を誕生させたが、実は、外惑星 (木星や土星) とその衛星を見据えた生命操作については、やはり、小説2001年宇宙の旅が出発点なのだ。そこには、クラークの外惑星 (木星や土星)、衛星、及び生命操作についての並々ならぬ関心が読んで取れるのである。

モノリスを設置したその知性体は 「いたるところでそのあけぼのを促進する事業をはじめた。彼らは星ぼしの畑の農夫となった。彼らは種をまき、ときには収穫を得た。(*)」

種をまけば、水もまくであろう、生命という収穫を得るためには。

今回の欧州宇宙機関の言う 「宇宙空間に存在する大量の水」 の正体は一体なんだろうか?

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(*1): 生命体は、タンパク質や核酸などの分子と、水からなっている。つまり、生命が存在するためには、タンパク質の構成分子であるアミノ酸や、核酸の構成分子である塩基、糖、リン酸などの有機化合物と、溶媒としての水が必要となる。

参考
National Aeronautics and Space Administration (NASA) Jet Propulsion Laboratory (JPL) The European Space Agency (ESA) 2001年宇宙の旅 (早川書房) 2010年宇宙の旅 (早川書房) 2001 A Space Odyssey (Paperback) 2010 Odyssey Two (Paperback) 2001 A Space Odyssey (MGM) 2010 Odyssey Two (MGM.UA) Script: Internet Resource Archive (*) 2001年宇宙の旅 (早川書房) より引用 (**) 2010年宇宙の旅 (早川書房) より引用

Writer: Masaakix Web site: http://www.masaakix.interlink.or.jp/

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