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SATURN 01-10 AS 201 202 203 APOLLO 01 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17


Summary Cameras Long-distance Lunar surface

時刻は EST (米東部標準時)

Mission type
-

Launch
December 21, 1968; 07:51:00 am
(1968年12月21日午前07:51:00)

Cape Kennedy (Canaveral)
LC-39 Pad A

Launch vehicle
Saturn-V
(S-IC/S-II/S-IVB/S-IU)

Payload (Spacecraft)
CSM-103
LTA-B
(Lunar module Test Article)

Mission Commander
Frank Borman

Command module pilot
James A. Lovell Jr

Lunar module pilot
William(Bill) A. Anders

Earth Orbit insertion
December 21, 1968; 08:32:35 am

Earth Orbit
Altitude: 190km x 180km

Translunar injection
December 21, 1968; 10:41:37 am

Lunar Orbit insertion
December 24, 1968; 04:59:20 am

Transearth injection
December 25, 1968 01:10:16 am

Lunar Orbit
312km by 111km

Lunar Orbits
20 hours, with 10 orbits

Duration
6 Days, 3 hours, 42 seconds

Earth Splashdown
December 27, 1968; 10:51:42 am

Depository
U.S.S Yorktown

 

Launch

1968年12月21日午前7時51分 (EST)、ケープケネディ Launch Complex 39 Pad A から打ち上げられたアポロ8号は人類初の月周回飛行を行った (人類初の有人孫衛星)。それは、人類自らが、自らの目で月面 (表側及び裏側) を観察できた画期的なミッションだった。

クルーは船長のフランク・ボーマン、司令船パイロットのジェームズ(ジム)・ラベル、そして月着陸船パイロットのウィリアム(ビル)・アンダースンである。

サターンV型ロケット による打ち上げは今回で三回目だが、同ロケットによる有人飛行はこれが初めてとなる(それはまた Launch Complex 39 Pad A からの初の有人飛行でもある)。

アポロ8号宇宙船は CSM(Command Service Module /司令船)のみの構成で、LM(Lunar Module /月着陸船)は連結されていない。従って、月面着陸のデモンストレーションという一面を持ちながらも、その内容には幾分 「偏り」 があった。

ミッションの内容を眺めてみると、月周回軌道上における、(1) CSM(Command Service Module /司令船)のパフォーマンステスト、(2) 肉眼による月面(表側及び 裏側)の観察、(3) 高解像度カメラ (Hasselblad 500 EL) と望遠レンズによる月面の近接撮影、(4) ランディングサイト (候補地) の観測、(5) 地球遠景撮影、(6) TVのライブ放送、などとなっており、アポロ8号が、特に月面の観測に主眼を置いたミッションだったことが分かる。

Mission Profile

そもそも、アポロ8号は、地球周回軌道上で有人の LM フライト・テストを行うことになっていた。月周回軌道上における月面着陸のデモンストレーションは、アポロ10号 の任務だったからである (F-Mission)。有機的に関連付けられたミッションが変更されるには、それなりの理由が存在したはずだ。

理由は三つ考えられる。一つは、LM(Lunar Module /月着陸船)の開発の遅れだ。LM の宇宙空間におけるフライト・テストは アポロ5号(無人飛行)以来一切行なわれていない。二つは、CIA の調査報告だ。当時のソビエトが近日中にプロトン・ロケットゾンド宇宙船の組み合わせで有人月周回飛行を実施するというのである(当時のソビエトの計画は有人飛行ではなかったが)。ソビエトに遅れをとることを嫌った米国が、本来のアポロ8号の任務を変更して有人月周回飛行へとシフトさせたのである。そして三つは、以上と異なる何らかの理由で急遽 月周回飛行を行なう必要があったということだ。

Earth

月着陸ミッション (11号以降) では CSM から月面を観測するのは司令船パイロット一人である。これに対し8号は、三人全員で CSM から月面を観測できた。穿った見かたをすれば、三人全員で観測する必要があったから8号が急遽月周回飛行「オンリー」になったともいえる。そして、それらの裏付けとして、8号の月面観測の「内容」があげられる。公開された分だけ見ても、それは相当なものである。

撮影エリアについては、先の無人月面探査機 ルナ・オービター と重複する部分も確かにあるが、8号の場合はアングルが異なっている。解像度についても、ルナ・オービターの二番煎じととられがちだが、人間の目をファインダーにして撮影された写真には「迫る」ものがあるのだ。

以上、アポロ8号ミッションを知ることは、アポロ計画の核心に迫ることと筆者は理解している。

さらに付け加えるとすれば、三人全員で月面を観測できた有名なミッションがまだあった。アポロ13号である。SM (Service Module /機械船) の爆発事故で非常事態に陥っていたにもかかわらず、クルーたちは夢中で月面観測を行なっている。自分自身の生命よりも大事な観測とはいったいどのようなものだろうか。

Lunar farside

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人類が肉眼で月面を観測したこの意義深いミッションは、当時の米ソ宇宙開発競争(ある意味では米ソ軍拡競争)を更に加速させる役割をも担った。

米国は、電撃的な ゾンド 5号 の月周回飛行 (無人だが生物は搭乗していた) を逆手に取って、アポロ8号で「自信と確信」を取り戻すことに成功するが、一方の(旧)ソビエトは、本来の開発力を発揮しないまま、不必要な「あせり」のみを増幅させて「自滅」への道をひた走ってしまうのである。

アポロ8号の打ち上げシーン(飛行士達がアポロ8号に向かう場面)でビートルズのイエローサブマリンという曲が流れていたのをご存知だろうか。当時の筆者はライブ放送を注視していたので良く覚えている。イエロー・サブマリンは、 ビートルズ映画(アニメーション映画)で使用された曲である。音楽好きなビートルズが海底王国でライブ演奏をしていると、音楽嫌いなブルー・ミニーが攻撃してきた。そこでビートルズは、この平和な海底の楽園を守るために「平和な武器で応戦する(当時の反戦思想を取り入れている)」というのがその内容である。この曲の内容にからめて、アポロ8号の月周回ミッションを 「何らかの攻撃(不測の事態)に対する応戦ではなかったのか」 ととらえるむきもあるが、まあ、そこまで深読みすると異端説の範疇に入ってしまうだろう。

Cameras

Hasselblad 500 EL cameras

Cameras

アポロ8号宇宙船 (CSM) 内で携えていたカメラがこのハッセルブラッド 500 EL カメラ (改造型) である。レンズは 80ミリ、250ミリ。月面上における撮影では主に60ミリレンズが使用された。この写真には起点を表すクロスリンク (十字架) マークがついているのですぐに判る。

写真分析のためには解像度 (分解能) を最優先させる必要があり、その点では、カラーよりもモノクロ (白黒写真) のほうが望ましい。アポロ計画を含む月面探査の写真にモノクロが多いのはこのためだ。

TV camera

アポロ8号が撮影した月面のテレビジョン映像は地球でライブで放送された (初の試み)。

このミッションで実際に使用されたフィルムは、16ミリカラーフィルムが5マガジン、70ミリフィルムが7マガジンだった。

Long-distance

Earth from deep space

Earth

アポロ8号は、地球の姿を肉眼で「遠景」としてとらえることが出来た初めての宇宙船である。右イメージの地球は西半球をこちらに向けている。中央アメリカの輪郭ははっきり分かるが、それ以外は、アンデス山脈を除き雲に隠されてしまって識別不能だ。

Nearly full moon

Nearly Full Moon

アポロ8号宇宙船から撮影されたフルムーン間近の月である。イメージの、右半分が 「月の裏側 (地球から見えないエリア)」 となる。

右下のちょうどリムの部分に見える漆黒のクレーターはツィオルコフスキー・クレーター(Tsiolkovsky crater /21.2S,128.9E、直径約185km)。その他、危機の海(Mare Crisium /イメージ中央の海)、神酒の海(Mare Nectaris /イメージ左端の海)、晴れの海(Mare Serenitatis /イメージ上部の海)などが確認できる。

Lunar surface

Meituner crater

Meituner crater

右のイメージは月の裏側のメイツナー・クレーター(Meituner crater /10.5S,112.7E、直径は約87km)付近をとらえている。高度約110km、レンズは80ミリ。

アポロ8号ミッションで撮影された画像や映像には何か特別な意味があるのかもしれない。なぜかガードが固いのだ。 このエリアの高解像度版も残念ながら一般人には入手困難のようだ。トップシークレットの範疇でない限り入手は不可能ではないだろうが、ある種の特権 (学者・研究者であるとか) が必要かもしれない。

Tsiolkovsky crater 1

Tsiolkovsky crater 1

イメージ中央の巨大クレーターはツィオルコフスキー・クレーター(Tsiolkovsky crater /21.2S,128.9E、直径約185km)である。月の裏側の代表的な存在だ。中央付近の火口島らしき地形の直径は約40km。瀬戸内海に伊豆半島を浮かべたようなものだろう。

旧ソビエトの無人月探査機 LUNA によって確認されたことからロケットの父と称されるツィオルコフスキーの名を取って命名された。

なお、ツィオルコフスキー・クレーターは アポロ13号アポロ15号ルナ・オービター3号でも撮影されている。

Tsiolkovsky crater 2

Tsiolkovsky crater 2

ツィオルコフスキー・クレーター(Tsiolkovsky crater /21.2S,128.9E、直径約185km)内の漆黒の区域(直径約125km〜145km)及びその中央の火口島らしき地形(直径約40km)のクローズアップである。 まるで深緑の水草が繁茂する湖と、そこに浮かぶ島のようである。事実、LUNA の撮影した映像を根拠に ここが植物地帯であるとの報道がなされたこともあったようだ (誤報ということで うやむやになった)。

アポロ8号のクルーたちも認めるように、この漆黒の区域は月面上のどんなエリアよりも(海よりも)黒く異様ですらある。 高解像度版が存在するようだが果たして入手は可能だろうか。


Nameless craters

Nameless craters

無名の、しかし興味深いクレーターがいくつか散見されるエリアである。ツィオルコフスキー・クレーターと同じような雰囲気をもつ漆黒のクレーター、メタリックな(人工的な)輝きが特徴のクレーター、そして光条。 予備知識なしに観たほうが案外このイメージの本質をとらえられるかもしれない。

アポロ14号のそれと比較してほしい。


Sea of Tranquility

Sea of Tranquility

ランディング地点の調査・確認もアポロ8号ミッションの目的の一つだった。 右のイメージはアポロ11号のランディング地点「静かの海(Mare Tranquillitatis = Sea of Tranquility) をとらえている。もちろん月の表側である。 イメージの、やや右寄りに、際立ったクレーターが散見される。 タルンティウス F(Taruntis(Taruntius)、タルンティウス E(Taruntis(Taruntius) E /5.6N,40.2E、直径約15km)、コーシー(Cauchy /9.6N,38.6E、直径約12km)などである。


Goclenius and other large craters

Goclenius crater

イメージ前面の大きなクレーターがゴクレニウス(Goclenius crater /10.0S,45.0E、直径約72km)である。このエリアのクレーターは どれもこれもフラット・フロアーだ。 ゴクレニウス・クレーター内に刻まれた溝が目につく。見ようによっては規則性があるようにも思えるが72kmの直径と対比させればそのスケールが想像できる。 イメージ上側のクレーターは、コロンボ A (Colombo A /15.1S,45.8E、直径約76km)と マゼラン(Magelhaens /11.9S,44.1E、直径約40km)。


Joliot-Curie crater and Bright-rays

Joliot-Curie and Fabry

Joliot-Curie and Fabry

イメージ左上のひときわ目立つクレーターがファブリ・クレーター(Fabry crater、about 45N,105E)である。緑の海(Mare Marginis、直径約360km)の北東に位置している。クレーターから放たれるこの光条は太陽光線の方向によって現れたり消失したりする月面上で最も目を引く現象といえる。中央左の大クレーターはジョリオ・キュリー(Joliot-Curie crater、25.8N,93.1E、直径約164km)で、月面でも巨大な部類に入る。アポロ13号でも同エリアが撮影されている。

It's ...

Oh! it is ...

間違いなくアポロ8号宇宙船から撮影された月面である。詳しい説明は省略。Full size で観ることをお勧めしたい。




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__ Reference
National Aeronautics and Space Administration (NASA)
Kennedy Space Center (KSC)
Jet Propulsion Laboratory (JPL)
Goddard Space Flight Center (GSFC)
Johnson Space Center JSC Home Page (JSC)
National Space Science Data Center (NSSDC)
American Astronomical Society (AAS)
CHECKOUT and LAUNCH CONTROL SYSTEM PROJECT (CLCS)
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Writer : Masaaki Umehara
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